ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

観戦―いかに潜るか(4)

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

観戦―いかに潜るか(4)

 

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演劇の世界には、「段取り芝居」という言葉がある。

 

たとえば、目の前で恋人が車にはねられるシーンがあるとしよう。

車が来てから、次に「危ないッ」というリアクションが求められるわけ。

ところが、事前に台本を研究しているから、車が来る前に気配を発してしまう。

これは興ざめであり、「段取り」と揶揄されることになる。

 

「今」という一瞬を生きることが、とにかく大事。

役者は繰り返し演じるだろうが、役自体は一度きりの人生を生きている。

観客全員、死ぬ運命がわかっていても、役だけはそのことに気づいていない。

こういう芝居こそが、大きな感動につながっていく。

 

将棋も、同じこと。

一番よいのは、自分自身で、試行錯誤して、一生懸命に将棋を指すこと。

たとえ研究していたにせよ、経験済みであるにせよ、一回限りの生を生きる。

目の前の局面を、常に新鮮な目で見ることだ。感動、ファースト。

 

すでに結果が出ている将棋や、他人の対局は?

変わらない。変わってはいけない。同じ。

今まさに自身で進行させているのものと捉えよう。

演劇・歴史・物語と同様、盤上没我が一等、心を動かせる。

 

観戦のよいところは、リアルタイムだから、まだ未来がわからない点。

そして、観戦のよくないところは、無責任に見てしまうところ。

 

自身の将棋と思って見れば、スリルが味わえる。

自身の将棋と思わず見れば、冷静かつ客観的に見られるメリットがある。

( 反対に、自身の対局は、他人の対局の如く冷静に見るとよい。 )

だが、冷静過ぎると、痛くも痒くもなく、得るものが少ないままだろう。

 

観戦といえば、新聞、テレビ、大盤解説会。

それ以外の観戦は、ネット観戦くらいか。

 

ちなみに、私シュうぇッチマンは、ネット観戦は程々に抑えている。

理由は、3つ。

 

1つは、仕事の邪魔になるから。これが最大の理由。

将棋だけ強くても仕方がないというのが、基本スタンス。

 

2つは、ネットでは、頭に入らないから。

盤駒を使って棋譜並べする方が、100倍、身になると信じているのだ。

 

余談だが、漢字の教え方に、指書きというものがある。

机の上に、指で漢字を書くと、覚えが鮮明になるという方法だ。

ワープロよりも手書き、鉛筆よりも指。触覚で覚える。

 

3つは、量より質と考えるから。

情報量が多いと、脳のキャパが小さいので、頭がパンクしてしまう。

 

もっとも、完全否定するわけではない。

広く浅く触れる意義は認める。

補助的な意義は、間違いなくあるだろう。

将棋に限らず、ICTが有効なケースは数多く報告されている。

高段者や初級者にとって、ネット将棋観戦は有力な選択肢だ。

 

けれども、ネット観戦は、勉強法のあくまで傍流と考えている。

ネット対戦では没入とはなりにくく、感動も得られにくい。

ハチワンダイバー』でいうところの「ダイブ」ができない。

ネット対戦でもそうなのだから、ネット観戦はなおさら。

 

また、脳内で並べる機会が少ないので、脳内将棋盤が鍛えられない。

符号を読んだり、脳内で再生したりする訓練にはならないのだ。

かえってそれを阻害してしまう側面もある。 

 

だからネットの棋譜は、観戦というより、予習・復習に使う。

さんざん棋譜並べをしてきて、久し振りに中継サイトなどで復習する感じ。

 

コンピュータだと、超高速で並べることができるのはメリット。

脳内将棋盤ほど速くないが、リアル盤ほど遅くもない。

忘れていた棋譜も、すぐに思い出すことができて便利だ。

たとえば宗歩の棋譜を試合直前に復習しておけば、香1本は強くなれる。

 

予習に使うことだってある。

まずは棋譜中継サイトでざっと流れを確認した上で、盤駒を持ってくる。

 

いずれにせよ、観戦というより、データベース的な活用である。

 

このごろ流行する動画の実況中継には、新たな可能性を感じている。

ただ見るだけでなく、言葉(音声)があるので、脳が活性化される。

加えて、解説と違い、心の声がダダ漏れなのもいい。

 

これからは声優さんや俳優さんの将棋動画が増えてほしい。

古舘伊知郎さん並のパフォーマーがいれば、盛り上がることだろう。

いつか機会があれば、劇的な実況中継を実験してみたいと夢みている。

もちろん、「段取り芝居」でないやつを。

 

【本日のまとめ】

・ネット観戦を学習の中心に置かない。

 

*原題「観戦のすすめ―新聞・テレビ・大盤解説会」を改題した。

 当初、ぬるいタイトルをつけていたセンスのなさをお詫びする。