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ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

おまけの将棋ノート(15)

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

おまけの将棋ノート(15)

 

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「覚える」と「思い出す」

 

 記憶力の維持・増進については、2つの誤った固定観念を除去するところから始めよう。1つは繰り返し信仰、もう1つは加齢衰弱説だ。たしかに繰り返しは非常に有効であるように思えるし、加齢による衰えも体験的に否めない。けれども、この2つは脳科学的には正確でないらしい。繰り返せば覚えられるかというと必ずしもそうでもないし、脳は優に100年もの間、機能が衰えないタフな臓器であり、高齢でもとんどもない記憶力を誇る強者がいらっしゃるのも事実である。

 この問題にアプローチするとき、「覚える」と「思い出す」の2種について、脳科学、とりわけ記憶を司る海馬についての研究を理解することが必須である。

 結論からいえば、「覚える」ことよりも「思い出す」ことを重視するのがいい。「覚える」はゴールではなく、折り返し地点。「覚える」がインプットなら、「思い出す」はアウトプット。インプットだけでなく、アウトプットを積極的に行うことにより、海馬は活性化する。

 その意味でも、私シュうぇッチマン流の高速棋譜並べは極めて有効だ。というのも、覚えるだけでなく、出力することに重きを置いているから。繰り返すのは覚えるためではなく、出力し、再現し、思い出すために行われている。

 脳自体は衰えず、アウトプットを怠けるのが記憶力低減の最大の理由である。ということが、最新の研究により明らかになっている。私シュうぇッチマンがブログを始めたのも、アウトプットの量を増やしたいというのが1つの動機になっている。「先生」が「生徒」よりも勉強ができる理由は、ここにあるだろう。後で説明(アウトプット)することを前提としたインプットこそが力を発揮するのだ。その意味では学んだことを応用し、対局で試すことも、非常に重要なことだと言わなければならない。

 

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高速棋譜並べ 初級者用マニュアル

 

 そのような理由だけではないだろうが、高速棋譜並べは、このブログの看板メニュー。最も人気が高い記事のようだし、店主もそれがおすすめの逸品なので、満足している。ただ、記事を書いていた時分に想定していた読者は、将棋倶楽部24の初段の目前で足踏みをしている方(つまり、道場やウォーズでは初段、二段の方)だった。ところが実際は、初級者の方のお問い合わせが圧倒的に多い。そこで、今回は初級者用マニュアルを作成することにした。初級者には無理という意見もあるが、そんなことはない。たしかに、なめらかな高速棋譜並べということになれば、有段者でもかなりハードな方法ではある。けれども、初級者でも楽しんでいただけるように工夫したので、参考にしていただければ幸いである。

 24の初段目前の方の目標は、脳内将棋盤を作ることだった。しかし、初級者の方の目標は、符号に慣れることと、一局を通して暗譜で完走することに定めなおす。ただし、初級者でも有段者でも1つ同じ哲学を共有しておきたい。それは、プロ棋士が事前の研究や経験も含めて、非常に長い時間をかけ、精魂を傾けて紡ぎ上げた至高の棋譜。それをとことん味わうということ。アマチュアだから、盤駒を使って理解しようとするわけだが、とことん味わうという気持ちの部分で差が生じてはならないと考えるのだ。

 さて、イメージしやすくするため、テキストは『羽生善治全局集』(以下、全局集)と『羽生のミラクル終盤術』(以下、ミラ終)を例としてみる。ミラ終の文庫版は、終盤術と格言集の2冊の本が合本されているが、初級者におすすめするのは格言集の方である。終盤術は難しすぎるので、強くなってからのお楽しみにしよう。格言集は手筋や考え方が凝縮され、言語化されているので、初級者にも親しみやすいし、即効性がある。しかも、教材が羽生さんの実戦なのだから、これはもう言うことなしだ!

 

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羽生のミラクル終盤術 (将棋連盟文庫)
 

 

用意するもの:

テキスト2冊・盤と駒・キッチンタイマー・ノート・付箋紙

 ★時間をはかり、記録をとり、並べた回数だけ付箋をはる。

ヒント:

イ.いきなりマラソンは酷。まずは短距離走から。

ロ.タイムよりも、なめらかさと完走することを重視。

  タイムは、全体よりも、区間記録の向上を優先。

ハ.初級者が苦手とする中盤(中段)の把握力アップを目標に。

 

【目次】

◆ステップ1 格言を覚える(ハイライト場面)

◆ステップ2 序盤を覚える(足腰を鍛える)

◆ステップ3 一局を通す(通し稽古)

 

◆ステップ1 格言を覚える(ハイライト場面)

1・1 ミラ終の見開き1ページを3度黙読する。

 ★わからなくてもよいので、3度は繰り返し読んでください。

  格言だけは、何回でも繰り返し音読しよう。

1・2 ミラ終の最初の盤面を3分間、凝視する。

 ★わからなくてもよいので、3分間は考える癖をつけてください。

1・3 ミラ終の最初の盤面を盤駒で再現する。

 ★ミラ終を見ながらでも可。ただ玉と大駒の位置は1・2の時点で覚えたい。

1・4 ミラ終の手順を並べる。

 ★急所の妙手は、駒音をやや大きめにする。

  実戦でこんな手を指せるようになりたいと強く願かけしつつ。

1・5 1・3~1・4を繰り返す。 

 ★最初の盤面の記憶と、短手数をなめらかに並べるトレーニング。

1・6 仕上げにミラ終の棋譜を音読する。

 ★将来の脳内将棋盤養成のためのおまじない。

 

◆ステップ2 序盤を覚える(足腰を鍛える)

2・1 インターネットで棋譜を検索し、何度か自動再生。

 ★まずは要領よく、全体像を把握する。

2・2 全局集で一局を通して並べ、全体像を把握する。

 ★大変だろうが、自身の手と目で全体像を把握しよう。

2・3 序盤だけを数回並べる。

 ★序盤だけ並ぶのでも大したもの。

2・4 一局を通して再び並べ、全体の中での序盤を理解する。

 ★最初に並べた時よりも成長が実感できるはず。

 

◆ステップ3 一局を通す(通し稽古)

 3・1 序盤から中盤まで少しずつ手数を増やしていく。

 ★百人一首の覚え方と一緒。五→五七→五七五→五七五七→五七五七七。

3・2 中盤までを繰り返し並べる。

 ★アマとプロの違いは中盤の記憶力の差というデータがある。

  自陣と敵陣の間の四段目、五段目、六段目の空間が記憶しづらいから。

  ここを鍛えることが上達のツボ。

3・3 一局を通してさらに並べ、全体の中での序中盤を理解する。

 ★最初に並べた時よりさらに成長が実感できるはず。

  ついでに、最後の一手を覚えておく。

3・4 一局を通して繰り返し並べる。

 ★まずは時間を度外視し、遅くともなめらかに並べよう。

3・5 暗譜で並べる。

 ★少し考えてもわからなければ、答えを見よう。

3・6 インターネットで高速棋譜並べを鑑賞。

 ★人間には無理なレベルは機械に頼ろう。

  高速でも最初に検索したときより格段に理解できるようになったはず。

3・7 仕上げに全局集の棋譜を音読する。

 ★将来の脳内将棋盤養成のためのおまじない。

3・8 解説を読み、盤駒に変化を並べながら理解する。

 ★高速棋譜並べから、新たなステージへ。

3・9 後日、復習をして定着を図る。

 ★後日とは、数日後と数か月後の両方。

3・10 実戦で格言など学んだことを応用する。