読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

おまけの将棋ノート(29)

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

おまけの将棋ノート(29)

 

f:id:Shouldgo:20160902152037j:plain

 

古典文法 動詞の二段活用

 

 二段活用といえば、受験生にとっては古典文法だろう。「い・い・う・うる・うれ・いよ」が上二段活用で、「え・え・う・うる・うれ・えよ」が下二段活用。イ段とウ段で活用するから上二段で、ウ段とエ段で活用するから下二段。「見る」は上一段だが、「見ゆ」は下二段。「見る」は「み・み・みる・みる・みれ・みよ」と全部「み」だからマ行上一段。しかし、「見ゆ」は「みえ・みえ・みゆ・みゆる・みゆれ・みえよ」と「ゆ」と「え」なので、ヤ行下二段。

 ちなみに、一段活用と変格活用は全部覚えておく。上一段が「ひ・い・き・に・み・ゐ」る。下一段が「蹴る」。カ変が「来」。サ変が「~す」。ナ変が「死ぬ・往ぬ」。ラ変が「あり・をり・はべり・いまそかり・みそまかり」。

 で、これらを爽健美茶の歌で覚えたら、あとは「ず」をつけて判断。「遊ばず」なら、「ず」の上がア段なので、四段活用。「老いず」なら、「ず」の上がイ段なので、上二段活用。「覚えず」なら、「ず」の上がエ段なので、下二段という具合。「覚えず」などといわずに、覚ゆべし、だ。

 ちなみに、「あきらむ」は、「明らか」の「明らむ」で、下二段活用。「古典をあきらめん」というのは、「古典を諦めよう」という意味ではなく、「古典を明らかにしよう」という意味なので、要注意。そもそも音写している選択肢は、誤答なので、センターや私立受験者は、よく肝に命じておこう。

 例題 「肝に銘ず」の意味

 1 キモいやつに命令される。 

 2 深く心に刻みつける 

 3 レバーはおいしい。

 正解は2。1は、「キモ」「メイズ」の音写。3は「肝=レバー」という意写なので、誤答。しかも、1や3は文法的にも誤っている。1はなぜか受け身になっているし、3はなぜか形容詞だ。二重に間違っていることを確認することを二重チェックという。

 

桂馬の二段活用

 

f:id:Shouldgo:20161209165734p:plain

 

 ところで、将棋にも二段活用というものがある。「桂馬の二段活用」だ。図は古典文法にはない三段活用の模式図。自陣に桂馬を打って、それが三段活用したときの喜びははかりしれない。だから、いつも狙っておこう。コツは、跳ねた後にも道が開けているかを確認すること。より正確にいえば、道の最後に王手か両取りのごほうびがあることを確認することだ。この図なら、▲5五桂で、飛車をゲットすると同時に、両金取りがかかる。さらに、その先には、△4三桂不成の王手飛車の特典が待っているではないか、と。

 桂馬はもっとも足が速い駒だし、動きが変わっているので、相手の読みから漏れることも多い駒であり、使いこなせるようになっておきたい。桂馬使いの名手といわれた中原誠十六世名人は、大山康晴十五世名人に勝つためには桂馬の動きを極めることが大事と考えたという。桂馬使いの名手を目指したいものである。

 

嬉野流対策

 

 嬉野流という奇襲というか変態戦法がある。嬉野さんが開発し、亡くなったアマ強豪の天野さんが採用して有名になった。本まで出ている。優秀な戦法である。

 

奇襲研究所 ?嬉野流編? (マイナビ将棋BOOKS)

奇襲研究所 ?嬉野流編? (マイナビ将棋BOOKS)

 

 

 こういう戦法は使うのも楽しいし、使われるのも楽しい。ちなみに、私シュうぇッチマンは、若いころに嬉野さんご本人と対戦したことがある。

 さて、私シュうぇッチマンの完全オリジナルな嬉野流対策を本邦初公開しよう。まず覚えてほしい格言が「嬉野流にはノーマル三間飛車」である。本家・嬉野さんは相振り飛車にするらしいが、天野さんは居飛車で戦っていたようだ。

 いや、その前に、嬉野流とは、そもそも、なんぞや。そういう方もいるであろうから、まずは急がずに、ゆっくりと序盤の局面からご覧に入れよう。

 

f:id:Shouldgo:20161209165635p:plain

 

 角道を開けず、飛車先も突かず。まず初手は△4二銀。その後、金を上がって飛車先交換には低く謝っておいて、引き角で戦おうというのが嬉野流の基本戦略だ。ちなみに、図面は先後逆にしてある。また、今回の相手は初手△6二銀からの嬉野流なので、通常と少し異なる。ただし、どうであれ、私シュうぇッチマンの指し方は変わらない。私シュうぇッチマンの対策は、飛車先の歩を切ったこのタイミングで、なんと▲7八飛だ! 初心者のように欲張った指し方だが、手損を気にせず、一歩を交換し、しかるのちに、悠々と嬉野流の天敵・三間飛車を目指す。最初は大駒を使ってこないので、陣形を低くして、争点を作らないようにすれば、嬉野流は恐くないのである。

 

f:id:Shouldgo:20161209165709p:plain

 

 この後、どうするか? 突然だが、ここでクイズ。「陣形が低く、手数がかからず、堅さもある囲いって、なーんだ?」。そんな都合のいい囲いなんて、あるわけな、いや、あった! 「はい、はい、はーい。美濃囲い!」「正解!」 その美濃囲いにちゃっかりと収まり、後は玉型の差を生かし、大胆に寄せてしまえば、一丁上がり。

 

f:id:Shouldgo:20161209165700p:plain

 

 図は、端で入手した香を△7二香と田楽刺しに打ってきた局面。受けにも利いていて、厳しそうな攻防手にも見えるが、落ち着いて、読みを入れてみよう。ここでの私シュうぇッチマンの手を、しばし、お考えあれ。強い人は、最後まで読み切ろう。

 

 ヒントは、今日の最初の記事。

 

 というわけで、正解は、

 

 ▲3三角成!

 

 角切りである。玉が堅いので、こういう乱暴な技が利く。狙いはむろん「桂馬のふんどし」。以下△同金▲4五桂△3二金と進む。ここで▲6五歩が真の狙いを秘めた一手。△同銀は▲5三桂不成が王手であると同時に「桂馬のふんどし」の「おかわり」だから(「桂馬の二段活用」)、勢い△3二香成だが、▲6四歩。お互い銀を取り合う。後手は「桂馬のふんどし」の「おかわり」を避け、手に乗って△同銀と取りたくなるが(正着は「桂頭の銀」の△4四銀)、ふふふ、ここで吾輩シュうぇッチマンの真の狙いが炸裂する。指をしならせ、▲3二飛成!

 

f:id:Shouldgo:20161209165652p:plain

 

 以下は、△5一玉なら▲4一金までなので、△同玉▲3三銀だが、あとはどこへ逃げても頭金までの、やさしい即詰みである。大駒二枚を大胆に切り、勝利。

 今回の終盤のポイントは、3つある。まず「桂馬のふんどし」を「見せ球」にして、真の狙いをその先に据えるところ。次に、左側は攻められても美濃囲いにはまったく影響しないと悟ること。最後に、7二の香は攻め駒というより受け駒なので、これがいなくなれば勝てるという事実に気づておくこと。こういう将棋は、読みというよりは、イメージ、構想力が大事。

 嬉野流には、「相がかりと見せかけて実はノーマル三間飛車だよん」作戦が有力であることがわかったであろう。囲いは当然、ひねり飛車同様、「禿げ美濃」(「坊主美濃」)となる。お試しあれ。

 

f:id:Shouldgo:20161209170045j:plain