ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

おまけの将棋ノート(35)

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

おまけの将棋ノート(36)

 

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眼鏡

 まさか、眼鏡とは!

www.nikkei.com

 調子の悪い羽生善治王座に、中原誠名誉王座が「眼鏡が合っていないのでは」というアドバイスを与え、復調させたというエピソードを興味深く読んだ。

 そのアドバイスが正しいかどうかは、分からない。けれども、こういうアドバイスが効くということなら、分かる。ちょっとしたきっかけで、復調することはよくある。技術的なアドバイスではなく(というより羽生王座レベルに技術的なアドバイスなど不可能だろう)、将棋とは関係ないワンポイントアドバイスが効くのだ。

 羽生王座も人間なんだなと、親近感が湧く逸話である。そして、そのようなアドバイスにも耳を傾ける羽生王座の人柄が想像される。他方、中原名誉王座のアドバイスのうまさに舌を巻く。というより、中原名誉王座は、そういうディテールまで相手のことをよく観察しているということを意味している。ともあれ、雲の上の王座同士の会話を傍聴できたようで、何やらうれしい。

 

遠見の角に好手あり

 幕末の棋聖・天野宗歩。実力十三段伝説の持ち主。

 本編でも「棋譜並べ」のところで言及したので、そちらも参看していただきたい。

 

cixous5.hatenablog.com

 

 さて、その宗歩の中でも、とりわけ有名な棋譜を今日は紹介しよう。私シュうぇッチマンが300回以上、棋譜並べを行った八代伊藤宗印との対局。

 

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 ここで▲5四歩! これを「究極の銀尻の歩」と言わずして何と言おう!? △同飛なら▲8二角のねらいがある。だから、この目の上のたんこぶは、なんと取れない。まだ序盤にもかかわらず、何の支えもない、しかし決定的な「くさび」が入った。

 そこで後手は△7四歩と角打ちに角を打ち返すスペースを作る。この手もいい手。

 しかし先手は▲5三角と打ち込む。△4四角には素直に▲同角成。これも非凡な手だ。私シュうぇッチマンなら馬を作りたくなる。▲同角成に△同歩なら、おかわりの▲5三角が来るので、△同銀。これで5四の歩が「銀横のと金のたね」になった。しかし、なぜ馬を作らなかった? 歩も取られそう。

 ところが、ここで名高い「宗歩角」が出る。▲1八角! しびれる!

 

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 「銀横のと金のたね」を角で支える。「中飛車で飛車がバックについているぜ」的な指し方なら理解できるが、それでも歩というものは5五の位置で位取りだろう。ここは角で、しかも6段目というさらに高い位置で歩をキープしてしまっている。そして何より、相手の銀のみならず、飛車まで封じているのだ。畏るべし、宗歩!

 以下は、△4二金▲5七銀右△3二玉▲5六銀△6二金▲5八飛と進んだ。

 後手の△4二金も受けの好手で、私シュうぇッチマン好みの渋い一手だが、しかし、角で支えている間に中飛車にしてしまった宗歩の方がやはり一枚も二枚も上手である。 

 要するに、手順の組み立てが余人とはまるで別なのだ。序盤の段階で、相手の駒組みをとがめる発想は、プロの将棋ではあまり見ることができないが、アマチュアの将棋では現れてよいはずなので、このような将棋を勉強するのである。当時は持ち時間という概念がないので、勉強になる棋譜が多い。

 事実、この将棋は何百回並べても、飽きることがない。

 

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将棋部でTシャツを作りたい方には、こんなのもあるよ。

clubt.jp