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ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

おまけの将棋ノート(46)

おまけ記事

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

おまけの将棋ノート(46)

 

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もういくつ寝ると(カウントダウン)

本ブログの公開期限まで、あと13日。

つまり、あと13日で、お正月。

※公開期限が過ぎても、一部記事は残す予定。

 

奇襲撃退マニュアル(2)実践のコツ

 昨日に引き続き、奇襲対策について述べる。

 奇襲の対策は、実践的には大きく分けて2つ。1つは通常の定跡にて対応する場合、もう1つは特別な対策(オーダーメイド)にて対応する場合。

 前者はたとえば、角道を止めて四間飛車にする、あるいは矢倉にするなど。それで悪くならないのであれば、御の字だ。たいていは、これで撃退できる。ポイントは、昨日も漏らしておいたが、敵は大駒交換を狙ってくるので、その挑発には乗らないこと。

 もう1つの特別な対策(オーダーメイド)には、金を使う。通常は「一段金に力あり」などというが、奇襲に対しては、駒落ちの上手のように、早めに金銀を盛り上げていく。サッカーに喩えると、守備駒のラインを高く設定する。

 今回の教材は、大昔のNHK杯戦(第13回)、灘蓮照対大山康晴の一戦から(1964・1・20)

 双方居玉の乱戦。大山名人は5七にと金を作った。5七のと金に負けはなし。どう考えても後手勝ちに見える。しかし、この勝負、灘が勝つ。ここで荒法師が放った手は?

 

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▲5六歩。銀を取られても、名人を歩切れのままにして、飛車は働かせないよという手。渋い。

 以下、△4八と▲同玉△5二飛と進んだ。先手は手に乗って、居玉を回避したのも大きい。大山名人の最後の△5二飛も、さすがの落ち着き。1つ引くだけで、飛車の横利きが一気に通る。乱戦なのに、こういう手が入るところが大名人たるゆえん。

 この後、荒法師のもう1枚の金も中央へ進んでいく。名人の飛車ぶつけには、どうする?

 

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 ▲8三銀。はい、お引き取りくださいませ。筋悪の銀を打ってでも、「大駒交換は拒否」が正解。後手は「一段金に飛車捨てあり」だが、その反対に先手陣は「四段金に飛車捨てなし」の格好だ。この後、後手の飛車は再び中飛車に戻り、先手は依然として苦しいように見えるのだが。 

 

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 ▲5七金。いよいよもう1枚の金も三段目へ進出だ。当然、後手は7八銀と打ってくるが、▲8六角△8九銀成▲4五桂。銀で隅の桂香を拾ってくれるのであれば、大歓迎というのが、駒落ち上手常套の焦土戦術というもの。駒を高めに配置し、最下段は切り離す。名人相手に上手の戦術というところが灘流なのだ。

 ちなみに、灘の将棋を高く評価する現代の棋士佐藤康光九段がいる。「過去の棋士と対戦するなら?」と聞かれ、「早指しで対戦したい」と答えている。佐藤九段は現代で最も独創的な棋士だけに、さすがの慧眼である。私シュうぇッチマンも、四枚落ちで教えてほしい棋士ナンバーワン。アマ初段には四枚落ちで勝つという駒落ちの達人だったのだ。

 

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 △6一桂には▲5五金。とうとう金が五段目、天王山に登頂を果たした。あれ、5五に金がトライしたら勝ちというゲームだったっけ?

 この後の攻防も非常に見応えがあるのだが、この対局のポイントは、駒の損得よりも手番や駒の効率を重視する灘流の冴えだろう。平手なのに、駒落ちのように指す荒法師の豪腕に、大山名人は28勝10敗だった。

 こんな将棋を知ってしまったら、駒落ちの勉強がしたくなること必定である。ちなみに、ここまで名人を歩切れに追い込んでいるところも、注目ポイントだ。

 この将棋からわかるように、奇襲や乱戦には、金を繰り出して押さえ込みを狙うことが、非常に有効だと私シュうぇッチマンは考えている。

 

【ここまでのまとめ】

・奇襲・乱戦対策には、駒落ち上手の練習が大事。

・奇襲や乱戦では、大駒交換を断乎、拒否せよ。

・奇襲や乱戦では、金を前線へ押し上げ、敵の大駒を封じる。

・奇襲や乱戦では、意外に歩の価値が高い。