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ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

おまけの将棋ノート(48)

おまけ記事

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

おまけの将棋ノート(48)

 

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もういくつ寝ると(カウントダウン)

本ブログの公開期限まで、あと11日。

つまり、あと11日で、お正月。

時が過ぎるのは、早い。

※公開期限が過ぎても、一部記事は残す予定。

 

あなたの脳内に駒台はありますか?

 将棋盤は9×9=81マスだが、将棋には実は82番目、83番目のスペースが隠されている。それが2つの駒台だ。しかも、駒台にマスはない。だから、駒を置く枚数が定まっていない。あなたの脳内に駒台はありますか?

 

 かつて縁台将棋では、駒台がないこともよくあった。だから駒を握りしめている。「お手は?」と相手に持ち駒を見せてもらう。

 「手の内を見せる」「手の内を明かす」という慣用句の語源は、従来は弓道などの武道から来ていると説明されてきたわけだが、案外、将棋から来ているのではなかろうか。

 真剣師は、持ち駒をあらかじめ仕込み、隠し持っておく。そして、相手にばれないように、その持ち駒を使う。賭け将棋は、八百長の要素もあった。逆にいうと、そんな真剣士に欺されるということは、それだけ持ち駒の記憶が難しいということを意味する。

 駒台を発明したのは、関根金次郎十三世名人によると、川島楼の主人、飯塚力造という男だそうで、彼はプロにしたいくらい強かったらしい。ちなみに、駒台が発案される以前は、半紙を四つ折りにしたものを使っていたという。

 

駒台の発案者

駒台の発案者

 

 

 そういえば、大会で、全国常連のアマチュアの強豪が、駒台に駒をきちんと置かない相手を寸鉄のごとく厳しく叱っている光景に出くわしたことがある。そうしたら、その次に、私シュうぇッチマンも、その相手の方と対戦することになった。私シュうぇッチマン、その現場を目撃していたものだから、わざと相手に「お手は?」としつこく訊いて、心理戦を仕掛けて勝った。ここの読者はマナー、特に持ち駒を示すマナーは、くれぐれも大事にしていただきたい。

 持ち駒を隠すのは言語道断だが、持ち駒をきれいに整えることもぜひ習慣にしてほしい。プロでもきれいな人と、そうでない人がいるが、前者をお手本としよう。

 さて、そろそろご質問に答えよう。「脳内に駒台はあるか?」 

 

cixous5.hatenablog.com

 

 これは初段と言わず、有段者でもかなりシビアな問いではなかろうか。脳内の駒台がクリアで、持ち駒を正しく把握できるようになれば、四段か五段はあるだろう。日本の将棋が世界の将棋(チェスなどを含んだ)の中で最も難しい理由は、持ち駒というルールにあるのだから。正直いって、私シュうぇッチマンも、まだ試行錯誤、修行中の段階である。

 ただし、ここ最近、駒台がずいぶんクリアになってきたという感触を得てきたところなので、今回のご質問はタイムリーだ。

 結論からいうと、訓練以外の邪道は存在しない。その訓練の方法だが、7つある。

 

1.盤駒使用の際に持ち駒を強く意識する。

2.持ち駒は暗記する。

3.持ち駒の位置を固定する。

4.3枚を1つの単位にする。

5.一万円札入ります。

6.ふりだしに戻る。

7.形勢判断をこまめに行う。

 

1.盤駒使用の際に持ち駒を強く意識する。

 

 まず、詰将棋でも棋譜並べでも実戦でも何でもよいが、盤駒を使うときに、持ち駒の意識を現在の10倍くらい高めてほしい。私シュうぇッチマンは、よく声に出して確認している。「持ち駒は、歩が3枚だけれども、相手が歩切れだからなあ」等々。

 

2.持ち駒は暗記する。

 

 スキップ並べなどでは、特に念入りに持ち駒を暗記、記憶している。「NHK杯の灘・大山戦の投了図の持ち駒は?」と問われれば、即答できるようにしている。これは脳内将棋盤に並べるときのことを考えた事前工作だ。

 

3.持ち駒の位置を固定する。

 

 私シュうぇッチマンは、布盤に並べているのだが、布盤の場合、大盤解説のように、持ち駒は両サイドに縦長に置くことになる。そして、私シュうぇッチマンは、駒の置き場所を明確に決めている。一番上が飛車、次に角、やや上方に金、真ん中より上に銀、真ん中より下に桂、やや下方に香、一番下に歩というふうに。

 このことが脳内の駒台にも大きな影響を与えることになった。駒台を整理することができるようになったのだ。喩えて言えば、脳内に棚がある感じ。「飛車の棚は空で、角の棚には1つ」という具合に把握している。

 練習用に、オリジナルの駒台を作るというのも、よいアイデアかもしれない。駒台が発明される前の半紙を四つ折りにしたものを使ったり、あるいはもっと折って駒台にもマス目をつけたり、色を塗ったり。印象に残る自家製の駒台を作ってみるのは、存外、愉しいのではなかろうか。

 もっとも、私シュうぇッチマンは今のところその必要を感じないので、試していないのだが、もし誰か試してみたら、報告してほしい。この分野、まだまだ創意工夫が大事だ。

 

4.3枚を1つの単位にする。

 

 この前、教え子が複本を避ける方法を教えてくれた。複本とは、同じ本を買ってしまう事故のこと。前に買ったにもかかわらず、そのことを忘れていて同じ本を買ってしまうということが読書家には、しばしばあるのである。若いころは記憶力があるから、そういう事故も少なかったが、最近は年なので、こういう事故が増えて困っている。

 彼女が教えてくれるには、コミックは4冊ずつ買うのだそうだ。1~4巻を買ったら、次に5~8巻を買うというように。シリーズもののまとめ買いなら、たしかにこの方法はよいかもと、膝を打った。

 持ち駒の場合は、3枚単位にしている。「歩が3枚」や「銀3枚」になったら、麻雀の牌やスロットの数字が揃ったときのように、わがシュうぇッチマンの脳内には愉快な効果音が響く仕組みになっている。逆に言うと、3枚揃ったら、必ず確認をするようにしているというわけだ。

 単純に数えるということを、ゆめ馬鹿にしてはいけない。価値はおいておいて、全部で何枚の持ち駒があるかを数える癖もつけておきたい。私シュうぇッチマンの場合は、リバーシ(オセロ)をするようになって、「黒が13、白が15」など、石の数を数えることが習慣化され、それが将棋にもよい影響を及ぼしたようである。

 将棋の駒は、全部で40枚しかない。しかも、最初から最後まで枚数が変わらない。だから、他のゲームに比べれば、数えるだけなら、難しくはない。「盤上31枚、先手の持ち駒5枚、後手の持ち駒6枚」のように、数える癖を付けておこう。

 

5. 1万円札入ります。

 最近、『将棋世界』1月号掲載の渡辺・千葉戦を並べているので、この棋譜を例に説明しよう。後手の四間飛車に対して、先手の渡辺竜王は▲4五歩早仕掛けに出た棋譜である。

 定跡どおりに、先手は▲2四歩と突き捨てて、▲4四歩を入れて、さらに▲4五歩と銀の頭に歩を叩き、角交換をする。ここでの持ち駒は、先手が2歩捨てているのに対し、後手は1歩が交換で、さらに2歩を貰っているので、駒台には3歩ある計算になる。そして角交換だから、先手は角のみ、後手は角と歩3枚だ。「先手は角のみ、後手は角と歩3枚。」「先手は角のみ、後手は角と歩3枚。」「先手は角のみ、後手は角と歩3枚。」くどい!「先手は角のみ、後手は角と歩3枚。」メモライズ、完了!

 

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 局面は便宜上、先後逆にしてある。瞬間的に居飛車は歩切れだが、この後、自陣に角を打ち、飛車が走るから、1歩を補充するので、先手の持ち駒は「歩1」に変化する。さらに、後手は5五に歩を突き捨てて角をおびき寄せて、銀を引き、そこで先手は飛車先に歩を叩くから、やはり先手の持ち駒は「歩1」のまま。

 レジの店員が「1万円札入ります」と言うように、自宅で練習するときは「持ち駒入ります」と声に出すようにするとよい。

 こういう具合に、持ち駒の動きを言語化するように心がけているし、暗譜の際には持ち駒の説明も口にするように心がけている。

 

6.ふりだしに戻る。

 持ち駒を脳内で把握できなくなったら、どうするか。ふりだしに戻る。すなわち、盤駒使用に戻って、確認する。

 

7.形勢判断をこまめに行う。

 形勢判断をこまめに行うことも忘れてはならない。ただ、並べたり指したりするのではなく、形勢判断を行いながら、並べたり指したりするようにすれば、持ち駒への意識も自動的に高まるはずだ。

 

 初段を目指すなら、ここまでやる必要はないだろう。しかし、三段以上を目指すのであれば、持ち駒の意識を高める訓練は必要である。もちろん、初段を目指す人でも、ここまでやれば、その後の伸びが違うので、やらないより、やったほうがよいに決まっている。実際の持ち駒だけでなく、「あと一歩あれば」「ここで斜めに利く駒があったら」など考えることも上達には欠かせない。

 持ち駒を意識することにより、皆さんがさらに健闘してくださることを祈る。

 

本榧(本かや)1寸卓上用将棋駒台 特上仕上

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