ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

おまけの将棋ノート(49)

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

おまけの将棋ノート(49)

 

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もういくつ寝ると(カウントダウン)

本ブログの公開期限まで、あと10日。

つまり、あと10日で、お正月。

時が過ぎるのは、早い。

※公開期限が過ぎても、一部記事は残す予定。

 

雑巾と若者

 本職は某分野のコーチ業の私シュうぇッチマン。

 今日は若手の連中と、年末恒例の大掃除をした。ところが、いまどきの若い者は(というようになったら、オッサンの証拠だなどという声は聞こえない)、雑巾も使ったことがないのかと、思わず天を仰いだ。なんやかんやと叩かれることの多い、日本の義務教育システムだけれども、その潜在力は諸外国と比べて誇れるものだと常々思っていただけに、これには少なからずショックを受けた。

 いろいろ言いたいことはあるのだが、いちばん驚いたのは、新品の雑巾で少し窓を拭いただけで、すぐに使い捨てにしようとすること。

 もちろん、食器を洗うスポンジをいつまで経っても使い続ける昭和生まれの主婦のケチさかげんにもかなり辟易してきたわけだが、いまどきの若者のあまりの「潔さ」「執着のなさ」にも閉口する。

 挨拶はできない、アイコンタクトもできなければ、他人のスピーチを聞いた後の拍手もできない。いや、そもそも、他人のスピーチを私語したり、わき見したりせずに、体を前のめりにして、相づちを打ちながら聞くということがもはやできる若者は数%なのだから、ほとほと困ったものだ。

 こういう相手には、自身の専門分野はもとより、将棋でも絶対に負けてなるものかと闘志を燃やす。

 もっとも、教え子にかんしては、基礎のキから、ウルトラ丁寧に教えていく。だから、私シュうぇッチマンのもとを離れる時には、世界に誇るべき立派な人間となって巣立っていく。そういえば、最近、教え子が結婚したと報告を寄こした。あいつも最初は・・・・・・と思いながら、雑巾の件も、清濁併せ呑もうと、ようやく気持ちを立て直すことができた。

 大掃除の季節。雑巾はボロボロになるまで、繰り返し洗い、使い込もう。

 

奇襲撃退マニュアル(4・完)変化&心理について

 

 

 

 立ち会い。がっぷり四つに組むか、それとも変化するか。横綱は前者が求められるのだろうが、あなたは横綱

 将棋を指す際、常に備えておきたいのは「変化する余地」である。言い換えれば、相手の土俵に乗るか乗らないかの判断を的確に行うこと。相手の得意形が自身の得意形でもあれば乗るし、相手の得意形が自身の知らない形でなおかつ好奇心が動かされなかったり、嫌な予感がしたりすれば、乗らずに避けるのが賢明だろう。(当たり前のことだけれども・・・・・・)

 私シュうぇッチマンは、オールラウンドプレーヤー。指せない戦型はまずない。居飛車だろうが、振り飛車だろうが、奇襲だろうが、何でもござれ。これがベテランである自身の持ち味、長所である反面、スペシャリストの研究にはまりやすいという意味では短所でもある。

 そこで、最近ではこの問題点を解消するため、脱オールラウンドプレーヤーを目標に掲げて、棋風改造に取り組んでいるところだ。攻めの棋風だったのを受けの棋風に転じたのだが、それをまた攻めの棋風に戻そうと考えている。また、基本的に居飛車党だったのだが、振り飛車党に転身しようと藻掻いている。ただ、せっかくオールランドプレーヤーとして培ってきた長所もあるので、柔軟に変化する技術は多彩なまま残したいとのヴィジョンを持っている。(どんな棋士になりたいかというヴィジョンを構想することは、とっても大事なことである。)

 さて、手っ取り早く相手の研究を外すには、変化するに限る。相手が角交換したがっていれば拒否するし、相手が角交換したがらなかったら挑みに行く。相手が対抗形を望めば、相振り飛車にするし、相手が持久戦志向なら急戦に、急戦志向なら持久戦に持って行く。理想は、郷田真隆王将のように、相手の得意をすべて受けて立つことだろうが、現実問題、これはプロ・アマ問わず、なかなかできることではない。

 コツは、序盤の入口でしっかり時間を使うことである。最初の数手で相手の狙いを読みとらなければならない。超早指しで知られる糸谷哲郎八段は、最初の数手の研究に余念がない。初手が▲7六歩なのか、▲2六歩なのか、▲5六歩なのか、その他か。それに対して、後手はどう応じるか。この数手の駆け引きに敏感になることが極めて重要である。

 さらに、積極的に良くしていくのか、五分になれば御の字と考えるのか。この二者択一についても、方針を立てておかなければならない。何となく経験があり、予測がつく奇襲なら前者を中心に組み立てるが、まったく未知の知らなければ対応できそうもない奇襲の場合は後者を中心に組み立てることもある。

 そもそも鬼殺し対策の金上がりや、パックマン対策の飛合いなどは、知らないと、とうてい指せるものでない。それなら、鬼殺しには、森内俊之佐藤康光両九段推奨の△6二銀&△3二金の形で対抗すればよいわけだし(「佐藤康光森内俊之の何でもアタック」『将棋マガジン』1996・6 参照)、パックマンに至っては歩をパックンしなければいいだけの話。

  

 

 

 

 心理的な作戦についても言及しよう。奇襲戦法の使い手は、基本的にせっかちである。さっさと勝ちたい、手っ取り早く勝ちたいというコンビニエンス志向なのだから。あるいは、相手の心理的動揺を誘って、そこを突きたいのだから、自身の実力に自信がないとも言える。いや、そもそも現代人の大半は、せっかちだと決めつけてもよいし、現代人の大半が自信や自尊心が欠けていると見て間違いないだろう。だから、奇襲を企む連中は、時間の使い方もせっかちだと断定しておこう。また、うまく行かなかったときは、折れやすいということも頭に入れておこう。

 子供の頃、「早く指せよ」が口癖の男子がいた。彼はその後、ヤンキーになった。要するに、キレやすい子だったのだ。待てない人は、将棋には不向きだ。私シュうぇッチマンは、そういうときはわざと時間をたっぷり使った。「急いては事をし損ずる」とつぶやきながら、パチッと指す。老獪な小学生である。たいていは居玉で仕掛けてきて、こちらは美濃囲いやら矢倉やらに囲うから、絶対に負けない。

 今でも、自動車で後ろからあおってくるチンピラに対して、徐行運転で報いてやることがたまにある。三つ子の魂百まで、だ。

 しかし、口に出して「早く指せよ」とは言わないにしても、大半の将棋指しは「早く指せよ」と肚では無意識に思っている。これは間違いないことだ。少年時代からよほどの体験や試練を乗り越え、生まれ変わったのでないかぎり、やはり三つ子の魂百まで、だ。

 だから、奇襲を企む将棋指しに対しては、時間をふんだんに、贅沢に使うことをおすすめする。それも、狙いや罠にはまる前に。

 30秒将棋なら、6秒でなく、13秒指しがおすすめだ。本編にも書いたとおり、13秒がもっとも相手をイライラさせる時間だから。もっと時間があるなら、序盤と中盤の入口で時間を使おう。そして、完全な作戦勝ちを狙い、終盤は秒読みでも仕方がないというスタンスでいく。そのために秒読みの特訓もしておくわけだ。

 そもそも、相手が奇襲でなくとも、この考え方が正統なものだと私シュうぇッチマンは思う。序盤がヘタな私シュうぇッチマンだからこそ、つくづく思うが、最初の出だしにもっと時間を投入して、構想を練ることを大切にしたい。

 相手の狙いを察知して、相手の狙いを外すこと。意表をつくこと。最終的な奇襲撃退法はこれに尽きるだろう。

  

 

 

 

 

 奇襲は、1枚だけ前線に子分を出張させておいて、後で親分を遣わして、つじつまを合わせてくる場合がある。

 自信があれば、そのような狙いを看破して、あえて相手の罠にはまったふりをして、攻めを引っ張り込むという高等戦術もある。ここまでできれば、もう奇襲は恐くない。

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 図面は袖飛車戦法の部分図。7六の地点に居座る、UFO銀(玉頭銀)と呼ばれる単騎の銀。しっかり金で受けとめておけば恐くなさそうだが、ところがどっこい、これに違和感を覚えないうちは、一生勝てないとしたもの。後手には、ズバリ狙いがある。お考えいたきたい。

 正解は、△7四歩と突き、どう応じても飛車を浮いて8筋に転換して角頭を殺到する。もしくは、△8四歩から歩を伸ばしてきて、飛車を8筋に転回して、角頭を狙う。

 そうした狙いをいちはやく察知して、ここで筋悪く▲7七金と上がってしまい、目の上のたんこぶを清算してしまうのも一策であろう。こちらも形は乱れるが、飛車を回った相手の一手も手損にできる。

 

つじつまを合わせたがる脳 (岩波科学ライブラリー)

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 最後に、奇襲戦法をなめてはいけないということを強調しておく。私シュうぇッチマンは、大学将棋で変態戦法に揉まれてきたので、奇襲戦法退治は割に得意な方だが、しかし、そうはいっても、奇襲戦法をなめたことは一度たりともない。むしろ、奇襲戦法の恐ろしさを骨身にしみて理解しているからこそ、奇襲への警戒を怠らないというのが正確なところだ。

 だから、私シュうぇッチマンは相手の戦法が何であれ、目の前の局面に全力を注ぐことを心がけている。相手が奇襲だからと特別意識することなく、しかし、無視したり軽視したりするのでもなく、つまり、芥川のマッチ箱の警句のように、遇している。

 こちらもせっかちでは、勝てる将棋も勝てない。しっかり腰を落として、冷静に対処したいものである。かといって、弱気になるのではなく、強気に応酬すべきところは強気に応戦しよう。ひるんでも、いけない。

 

侏儒の言葉 (文春文庫)

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  *奇襲本一覧

これで万全! 奇襲破り事典 (マイナビ将棋BOOKS)

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横歩取りハメ手裏定跡

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横歩取り超急戦のすべて

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奇襲研究所 ?嬉野流編? (マイナビ将棋BOOKS)

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奇襲大全 (マイナビ将棋文庫)

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奇襲振り飛車戦法 ~その狙いと対策~ (マイナビ将棋BOOKS)

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ネット将棋で勝つ米長の奇襲 (マイナビ将棋文庫)

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奇襲戦法〈上〉 (王将ブックスDELUXE版―ハメ手シリーズ)

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奇襲戦法〈下〉 (王将ブックスDELUXE版―ハメ手シリーズ)

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猪突銀戦法 (王将ブックスDELUXE版―ハメ手シリーズ)

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居飛車奇襲戦法 (将棋必勝シリーズ)

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初段に挑戦する将棋シリーズ 奇襲戦法

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一手の奇襲 将棋入門 (王将ブックス)

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振飛車シリーズ〈第3〉向飛車戦法 (1967年) (王将ブックス)

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初段に挑戦する将棋シリーズ 魔法のハメ手

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将棋奇襲と詰め手 (1958年) (将棋ポケット文庫)
 

   

将棋はめ手集 (1959年)

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奇襲戦法―鬼殺し・石田・捻り飛車・穴熊戦法・金開き (1952年) (将棋新書〈第10〉)
 

  

はめ手はまり手将棋奇謀

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はめ手と詰将棋 (1950年)

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(奇襲撃退マニュアル 完)

(おまけの将棋ノート 完)