ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

強くなるには

ピリギャルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

強くなるには

 

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 「どうやったら、強くなるか?」

 多くの方は、こういう問いを抱いて、ここにたどり着くだろう。しかし、こういう問いを抱き続けているのは、私シュうぇッチマンとて、同じこと。

 もし知っている人がいるのなら、こっちが教わりたいくらい。これ、偽らざる本音。

 ただ、それを言語化できるかどうか、教える力があるかどうかは、また別の能力と言わざるを得ない。最近、盤面や棋譜を載せるようになったが、しかし、このブログの本領は、難しい符号は用いず、それでいて、なるべく先人が言語化しなかった、できなかった領域を言語化し、照らし出すところにあったと、私シュうぇッチマンは自己分析している。

 そこで、これから初段を目指す人のために、そして何より自分自身のためにも、今回アマチュアの大会で優勝するに至ったプロセスを他のブログよりも詳しく言語化してみようと思う。

 

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 まず、今回の大会は、いつもの大会と同じところと変えたところがあった。事前の調整を念入りに行うことは、いつもの大会と同じ。

 前日は、1日中、将棋の日。調整メニューは、次の5つ。

 

 1 必至

 2 激指との駒落ち

 3 棋譜並べ

 4 定跡

 5 練習試合

 

 1 少し難しめの必至問題を1題だけ解き、何十回も繰り返し、盤駒や脳内で並べる。

 2 激指と駒落ち戦を1局だけ戦う。持ち時間は30分にして、使い切ることを心掛けた。普段、早指しに慣れているので、前日はじっくり考えることを心掛けるのは、いつもと同じ調整法。感想戦も丁寧に行う。

 3 棋譜並べは、米長・二上戦と、谷川・中原戦を並べる。(古い棋譜を並べるのは、最新の戦法だとかえって先入観、固定観念になってしまうから。)

 前者は二上棋聖誕生の一局で、米長先生の四間飛車二上先生が棒銀と思いきや銀をバックさせるという高等戦術を使い、快勝した名局。こういう将棋は、定跡書では絶対に学べない。

 後者は光速の寄せに収録してある一局で、谷川先生が向かい飛車を四間飛車に振りなおして快勝したもの。谷川先生の光速の寄せがすばらしいのはもちろんだが、中原先生の悪くなったときの指し方も非常に参考になる。これまたアマチュアがどれだけ実戦を積んでも絶対に会得できない境地だ。

 これらを各30回(先手、後手、脳内各10回)並べた。他の勉強をしたほうがいいのではないかという焦りもあったが、並べていくうちに気持ちも落ち着いていった。

 4 定跡は谷川・中原戦の序盤の変化を徹底的に調べた。

 5 練習試合は、自信をなくさぬよう軽めに。持ち時間は長めに設定。

 

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 当日は早起きをし、散歩と運動、棋譜並べの復習。ここまではいつもと同じ。もはや完全に大会前のルーティンとなりつつある。

 対して、準備でいつもと違うのは、神社に参詣したことと、これまでの大会のデータを分析したこと、そして戦型を固定したことの3つである。信心深い質ではないが、将棋はメンタルの勝負なので、そのことを意識してみた。優勝した翌日、新聞に載ったので、職場で将棋を知らない人たちからも祝福されたが、皆さん口をそろえて「3月のライオン」の名前を挙げてくれた。そのとき、あのアニメに繰り返し出てくる鳩森八幡神社将棋会館至近)参詣のシーンを思い出し、あれも勝因だったかと気づかされた。

 ただ、神頼みだけではないとしたら、大会データを分析し、戦型を固定したことが大きかったといえる。

 インターネットでは、オールラウンドプレーヤー(戦型別で勝率に差がほとんどない)の私シュうぇッチマンだが、大会でははっきりと得意不得意の傾向が分かれていることに気がついた。ノートをつけているメリットが、こういうところで役に立った。(ちなみに、この分析はトイレで行ったので、ノートは見ていないが、見なくても頭に入っているのがノートの効用。)今回は初めてデータを徹底的に分析し、活用した大会であったと言えるかもしれない。

 

 居飛車の戦型と勝敗は、こうだ:

 矢倉✖ ひねり飛車〇 5筋位取り〇 角換わり腰掛け銀〇 筋違い角〇

 振り飛車の戦型と勝敗は、こうだ:

 四間飛車✖ 三間飛車✖✖ 中飛車✖ 相振り飛車

 

 驚くべきことに、振り飛車で1つも買っていないのである。やはりアマチュアの振り飛車対策の精度は高いと言わなければならない。ということは、矢倉以外の居飛車で行こうということになった。(ただし、ここから先は企業秘密なので、書けない。)

 実際に戦型を固定してやってみて、前の試合が次の試合のリハーサルになっているということに気が付いた。戦型固定が奏功したのは間違いない。準備の段階ではこの戦型の練習はまったく行っていないことも変な先入観がなくて、よかったようだ。

 実はあと2つ気になるデータがあった。1つは秘密。もう1つは天才少年にやられているということだ。奨励会に入る直前の子供だから負かされて当然なのだが、しかしまだ奨励会員ではない以上、そう簡単に負けてばかりでよいのかと今回は雪辱に燃えていた。ただし、相手を意識しすぎず、盤面に集中しようとも思っていた。

 

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 指している間に心掛けたことは、じっくり指すことと、勝負所で腰を落として読むことの2点。

 対戦相手は全員、優勝経験者だった。

 まず予選でさっそく優勝候補と当たったが、中盤の勝負所で妙手を指せたし、終盤は一手違いのギリギリの勝負だったが、最後は即詰みを読み切っていたにもかかわらず、残り時間をふんだんに使って万が一にも間違えないようにと確認をしっかりと行えた。

 相手が「強すぎる」と言ってくれたのが自信になったし、周りの空気も私シュうぇッチマン寄りに流れるようになったと思う。勝っていけばいくほど、ギャラリーの信用が得られることを肌で感じた。

 ちなみに、今回は衣装も工夫した。ネクタイをしていったのである。将棋はラフな格好の人ばかりだが、きちんとした格好で行くと、相手より心理的に優位に立てるという計算があった。これはNHK杯で佐々木五段が和服を着ていたのにも触発された。

 実際、天才少年と対決するときに衣装という味方は心強かった。強そうに指すという演技も、今回はかなりこだわっていた。対局前にチョコレートを食べるのは同時通訳の必殺技と聞いて以来いつも通りのルーティンだが、今回はわざとそれを見せた。番外戦術もバッチリ。

 準決勝で有名な天才少年と対戦した。序盤から端攻め一本で攻め倒そうと殺到してきたが、ここで長考し、小学生が直線的には読めないような複雑な泥沼へ引きずり込む。最後は臆せず気合負けせず果敢に攻め合い、感覚的には微差で負けていると思ったので、ひとあし早く相手を必至に追い込み、さあ、詰ませてみろと開き直る。相手が冷静なら詰まされたと思うが、簡単な詰みではないし、自玉は受けなし・凌ぎなしの状況、しかも勝ったら決勝という邪心もあるだろう。私シュうぇッチマンは自信満々の手つきで指す。果たして相手は間違えた。この勝ちには、我ながらしびれた。総合力で勝ったからではない。大人の狡さで誤魔化したからでもない。純粋にかつての私シュうぇッチマンには到達できないレベルだったから。総合力を駆使したくなるような相手と巡り合えたことがうれしい。強い相手と対戦すると、こちらの力も引き出してもらえる。

 決勝は過去にも対戦したことのある相手。過去の対戦成績は、こちらの1勝。

 途中は難しかったものの、最終的にはこちらの完封ペース。ただ、小駒しかなく、寄せが非常に難しい。そこで腰を落として方針を定めた。勝つのではなく、負けなければいい、と。無理攻めを誘い、徹底的に受けつぶす方針を選択して、攻めることなく投了に追い込んだ。寝技で勝つ、駒落ちで鍛えた棋風が最後に生きた。

 今回使用した扇子は、大山十五世名人の「静思万考」。

 

【本日のまとめ】

・念入りな準備は当たり前。

・データの徹底活用。

・戦型は固定する。

・勝負所で腰を落として読む。

・盤上・盤外ともに死力を尽くす。

・自分の将棋を指す。