ピリギゃルが将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

中盤に無理=自滅しない方法

はてなブログ(愛称:ピリ将)

ピリギゃルが将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

中盤に無理=自滅しない方法

 

f:id:Shouldgo:20160902152037j:plain

 

遠さ、あるいは、大局観の勝利

 

 「穴熊」と書いて、「堅さ」と読む。

 あるいは、「遠さ」「正義」とも読む。

 これほど無敵の囲いも他にないが、しかし、指しこなすのは難しい。

 とりわけ、序中盤の指し方が非常に難しい。

 

 

 さて、今回のテーマは「中盤」。

 これまで避けてきたテーマ。

 「中盤」が結局のところ、いちばん難しい。

 ただ、中盤で無理をしない方法、自滅しない方法について質問があったので、私シュうぇッチマンも手探りしながら、お答えしてみようと思う。

 

f:id:Shouldgo:20170615142912p:plain

 

 今回は、後手の私シュうぇッチマンが四間飛車穴熊に組んだ実戦から。

 先手の居飛車側は、銀冠にしたいのか、今となっては懐かしすぎる玉頭位取りを目指しているのか、よくわからない。ともあれ、陣形がバラバラで後手の作戦勝ち。

 ただ、これは先手も腹に一物を持っているようにも疑える。特に、こうして「ひふみんアイ」、盤面をひっくり返してみると、相手の狙いに気づくことができるというもの。▲6七金と上がって、▲7八飛と転回する手も含みにしているのかもしれない。

 さて、ここからの後手の指し手が、非常に難しい。先手は指したい手がたくさんあるのに対し、後手は動かしたい駒、動かせる駒がほとんどない。角交換振り飛車は、左銀のドリブル力が問われるのだが、すぐには出動させられないので、さあ、どうしたものか。後手は堅さで勝負しているのに対し、先手は進展性で勝負していると言えるだろう。

 この局面の指し方は、今もって全くよくわからない。ご意見をお寄せいただければ幸いである。

 私シュうぇッチマンの候補は、△6三金と穴熊を崩し、△7二飛と袖飛車に振りなおす順と、△4四銀▲2四歩△3五銀と棒銀に出て四間飛車のまま攻め合う順を本線に考えていた。

 ただ、前者はせっかくの穴熊を崩して玉頭戦にするのは、相手の誘いに乗っている感があり、踏み切れなかった。また、後者も△4四銀に▲3六歩とされたとき、自信が持てず、見送った。

 結局、第3の選択肢△6三角と打った。「自陣角」と書いて、「渋い」と読む。

 これが良い手かどうかは不明ながら、私シュうぇッチマンはこの局面になったら、毎回こう指すだろう。

 きっと少数派であろう△6三角の考え方は、およそ次のような思考回路から導き出された。

 1.「わかるか、わからないか。」「わからない。」

 →わからないときは、力をためる。

 2.「自陣角をどこに打つか」

 →中央・攻防・角頭保護の3か条

 3.「援軍なし、銀だけで攻めるつもりか。」

 →攻めの理想は飛角銀桂。

 2を補足する。

 「中央」とは、角は中央の方が働きのよい駒である。隅だと最大8マスしか利きがないのに対し、天王山なら2倍の16マスに広がるのだから、中央がいいに決まっている。

 「攻防」とは、攻めにも守りにも効いている一石二鳥の手ということ。△6三角は、一見ぼんやりしている手のようだが、穴熊に紐をつけつつ、7筋からの攻めや反撃に備えている。その一方、相手の飛車先や香車を責めるねらいも秘めているわけだ。私シュうぇッチマン好みの一手だ。

 「角頭保護」は、角は頭が弱いということを意識しているもので、角頭はつねに責めのターゲットとなるので、打つときはよく注意しなければならない。あまり中央に打ち過ぎると、当たりがきつくなるので6三の地点を選んだ。羽生さんは歩の下に駒を滑り込ませることを推奨しているが、とっても大切な心得だろう。

 

f:id:Shouldgo:20170615155643p:plain

 

 △6三角以下は、▲7四銀△1五歩▲同歩△4六歩▲同歩△4四銀▲4七金△3五銀▲6八金△3三桂▲1四歩と進んだ。

 この展開は誤算で、不利に陥った。囲いがバラバラなので、こういう指し方を軽視していた。

 

f:id:Shouldgo:20170615155808p:plain

 

 しかし、不利と言っても、まだ希望はある。わがシュうぇッチマンの囲いは、穴熊なのだから。右端を攻められても、遠さもあって、響きは薄い。それに角筋を生かしてカウンターも決まるので、それほど悲観はしていなかった。

 ただ、ここで△1二飛としたのが当然のことながら、疑問手。単なる一手パスだ。これは私シュうぇッチマンには非常に珍しいことだが、秒に追われた。最近、読みが深くなったため、秒読みが苦手になりつつある。ただ、暴発するよりはマシ。大事なので繰り返す。「分からないときは、暴発するより、一手パスのほうがマシ。」間違っても△9六角▲同香△9五歩のような手を指してはいけない。あっという間に将棋が終わってしまう。

 △1二飛▲1三歩成△6二飛▲1二歩△同香▲同と△2五桂▲同飛△1八歩▲2三飛成△1九歩成▲4五桂

 

f:id:Shouldgo:20170615162424p:plain

 

 桂香を差し出し、竜まで作られた。普通は負けだが、こちらは穴熊。1筋2筋を明け渡したところで、響きは薄い。とても薄い。こちらも香を取り返し、桂も取り返せそう。実戦的には互角に近いと、努めて楽観的に捉えようと心がけた。囲いは大事。

 さて、局面は▲4五桂と打ったところ。ねらいは単純で、5三桂成の飛角両取り。同時に、こちらの自陣角の筋を封じてもいる。大駒の働きで先手が優っているので、先ほどの自陣角を悪手にしようという魂胆だろう。

 しかし、この手は疑問だった。△4四銀が遊び駒の活用で好手。以下、▲3四竜△4五銀▲同歩△1二飛で、右側の駒がすべて捌けた。

 もちろん、▲1四歩と竜を拠点に飛と角を封じてはいるものの、こちらは桂馬を手にすると、ねらいが生じるのだ。

 △2九と。もう一枚、桂馬を取る。

 ▲4六銀。これも疑問。歩の下に駒を滑り込ませる本筋の手だし、角を封じて、竜を自由にしようと考えたのだろうが、のんびりし過ぎている。今までの流れを過信し過ぎて、油断しているとしか言いようがない。すべてを捌いた振り飛車は、もう右辺には未練もなければ、用もない。

 △8四桂▲6七銀打△2二飛▲2三歩△6二飛▲8七銀△5四角▲8五歩△7六桂打

 

f:id:Shouldgo:20170615163603p:plain

 

 この辺りの手順は、自慢の流れ。

 桂馬のふんどしに弱い先手陣を見ながら、2枚桂の形をイメージしておいて、実際にその形を実現した。1枚目の桂馬を打った後、△2二飛▲2三歩△6二飛が私シュうぇッチマンならではの細かい芸で、(1)歩の数を減らす(2)飛車の位置を攻防に効くよう移動する(3)手を渡しても大丈夫との読みを鼎立している。こうした間合い、落ち着きは、私シュうぇッチマン独自の境地だろう。

 銀には逃げられるが、先ほどの自陣角を出動させるのを大きいとみた。角という駒はむやみに動かしてはいけない。しばらく眠らせておき、敵を油断させておいて、勝負どころでさっと1路だけずらして、絶大な効果を発揮させる。これが私シュうぇッチマンの勝負術。さあ、飛車筋も通った。

 桂取りの催促で、ようやくもう1枚の桂馬を投入し、ふんどしを決める。

 ▲同銀左△同桂▲同銀

 

f:id:Shouldgo:20170615164633p:plain

 

 ここで清算すると思わせておいて、△8六香と打った。▲8七香で何でもないようだが、そこで△7六角とするのではなく、△同香成▲同銀△7九銀▲同玉△8七角成をねらっている。△同香成に▲同玉なら△7四歩の予定だった。

 先手は▲7八玉だったので、△7六角としたが、そこで先手は投了となった。

 本局の序中盤はお恥ずかしいかぎりだったが、中終盤は穴熊の遠さを生かして、勝つことができた。

 ポイントは、6つ。

(1)玉はしっかり囲うこと。

(2)分からないときは暴発しない。

(3)相手陣の弱点を見て、構想を練る。

(4)相手の攻めに乗じて、駒を捌く。

(5)中盤から終盤への切り替えをすばやく行う。

(6)目先の駒得よりも大駒を働かせたり、寄せを狙ったりする。